詩人・坂村真民と出会いました。

亀岡の山の上に引っ越して1年たちました。
脅されていた厳しい冬の寒さと雪の深さは、
思ったよりも緩やかなものでした。
昨年はじめておめにかかった庭続きの貯水槽の「モリアオガエル」の卵は、
今年も枝の間に数個発見することができました。

この一年ずーと気にしていた「まだま村」というカフェでコーヒーをと出かけました。
我が山荘から車で10分のところですから、山荘から一番近いカフェかもしれません。
グルメ雑誌にはこう紹介されています。
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大阪近郊のスローな店というと「まだま村」がおすすめ。
直径12メートル、高さ11メートルもあるヨシ葺きの屋根でできた竪穴式住居風カフェだ。
大黒柱や梁は約300~400年前のケヤキで、解体された古民家から集めたものらしい。

冬には薪ストーブがたかれ、囲炉裏に手をかざしながらお茶を飲む。
土間だから底冷えするのだが、こころが喜んでるのがわかる。
仕事では男勝りな嫁も、話し声がやさしくゆーったりとしてくるから不思議。
待たされても気にならない。店の方いわく縄文リズム縄文タイムだそうだ。
茨木市の奥、竹やぶの中にひっそりとある。
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その店にでかけてびっくり。
店の前には「念ずれば花ひらく」の石碑が、
店の中には「二度とない人生だから」の立派な大きな書が掲げられ・・・・
店内の小物の陳列台には写真集「坂村真民・書は心」がおかれ・・・

昼時の忙しい時間だったにも関わらずオーナーに
「この写真集を下さい」と話しかけたら、
オーナーも驚いたように
「ご興味がおありですか?」と聞き返されました。

「二度とない人生は。いまや合唱界ではベストセラーです。
鈴木憲夫さん作曲の曲集の初演をお手伝いしました。」

「そうですか。合唱のことははじめて知りました。
私は坂村真民先生を尊敬し、弟子入りしました。
この写真集は坂村真民先生がをこの店にご招待したら、
気に溢れるこの地で、書に没頭したいとおっしゃって、
6時間もこもって没頭されたのです。
その様子を私がカメラに収めてたのがこの写真集です。
先生の気迫に恐れをなして、とても正面に回ることもできず、
だから先生の後ろすがたしかシャッターを切れませんでした。」

そんな会話を交わして、
初演とのDVDと楽譜を持ってくることを約束して店をあとにしました。
写真集はいつも新譜の出版のたびに新刊書を送ってくださる
鈴木憲夫先生にプレゼントすることにしました。
坂村真民を私に近づけてくださった導きに感謝しながら、心のなかでは
この店ででいつかチェロによる「バッハの無伴奏ソナタ」を聴くコンサートを
仲間や友人と開きたいと思ったのでした。

まだま村HPはこちらです。
http://madamamura.com/about