ジョイントコンサートを振り返って。(1)

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滋賀男声合唱団が誕生して20年。
この間この合唱団は自己満足的な域から脱却し、
合唱音楽の芸術表現団体に向かった。
しかしながら、当の団員にはそのような自覚がない。
驕りもなければ反面自覚もない。
それが私にとって滋賀男声のいいようもない魅力であって
最大の誇りなのですが、今回の演奏会は確実に滋賀男声が
「さなぎ」から成虫への脱皮を示す瞬間となりました。

栗東カレンジュラと彦根みずすましの滋賀を代表する2つの女声合唱団。
毎年のように県代表として全国大会に推挙される素晴らしい団体です。
両団体の声の透明感、歌唱力の秀逸さは、今回の演奏会でも示されました。

その両団体の特性を築いてこられた伊藤光子先生。
その先生による合同練習に参加して私がうれしく思ったのは、
「立派に男声パートを務めている」団員の姿に接したときのこと。
先生のご指導を素直に聞き入れ、それを実践しようとする滋賀男声に
私は「滋賀男声の柔軟性と引き出しの多さに」おどろき、喜んだのでした。

作曲家・南弘明先生のご臨席を得ての「月下の一群」の単独演奏は、
昨年岡谷市でのJAMCAでの演奏を越える意欲で臨むことができました。
これは滋賀男声が演奏団体として
「個々の演奏に向かうメンタリティー」
の気付きにあることを示すことができました。

今回の演奏会を通じて、
滋賀男声は自分たちの立ち位置を滋賀県内外の合唱界に示すとともに
自ら演奏団体としての個人の責任と自覚を深く心に刻む好機となりました。

さなぎから成虫への機会を与えてくださった
2つの合唱団と伊藤先生に感謝です。
そして、その現場を見守ってくださった
会場にお越しくださった皆様に感謝です。