ひまわり賞受賞   フラワーコーラス

8月25日の新しくなったフェスティバルホールでの全国大会。
フラワーコーラスは見事にひまわり賞受賞となりました。
ご声援ありがとうございました。
この日の朝、10時から12時まで最終確認のお稽古がありました。
前日のステージ見学会で
実際の舞台をみて、演出アイディアが浮かんだ、と発表。
さすがにフラワー、直前にもかかわらず演出の追加プランに、
「またか」「ほら、きたぞ」と笑顔で対応。
これって凄いことですね!

演奏会本番のステージでは追加演出も難なくこなすのですが、
僕の耳には「いつものフラワーの響きじゃない!」との思いが、
ふつふつと沸いてきました。
でも瞬間、若いころこのホールで何度か指揮したころの
諸先生方の言葉を思い出したのです。
「このホールは指揮者の立ち位置がもっとも音が悪く鳴る」と。
指揮しながらでも
こんなときにこんなことを思い出すんですね、人間って!!

ステージを終えて写真撮影に向かうときも、楽屋に戻るときも、
私たちの演奏に興奮した見知らぬ行きかう人々とハイタッチの連続。
こんなこと今までなかったですね。
愉快なコーラスも、今週末のフォーレ・レクイエムも
僕の中ではどちらも自然体でいられることが嬉しい。
音楽の本質や喜びは、ジャンルを超えてもブレないのですね。

全国大会のレベルを知ろうと、大阪コンソートは48人のメンバーが、
そして去年の代表ふじの花も宝塚のコールカナリーからも
たくさんのメンバーが応援に来てくださいました。
アトラクションの男声合唱団には
滋賀男声の主要メンバーが参加くださり、
直前練習をエスケープしてフラワーをお聞きくださったとのこと。
皆様のブラボー!のお声、とても嬉しく思いました。

フラワーコーラスのHPにもぜひお立ち寄りください。
http://flowerchorus.com/

さて、私が敬愛する音楽の仲間、滋賀男声のK.Aiさんが
最高の賛辞を寄せてくださいました。
音楽に携わる者として、
これほどまでに私たちの音楽を心で感じてくださった方が
会場にいらしてくださったことに感謝です。
以下、ご紹介させていただきます。

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本物の合唱芸術をお見せくださり感謝しております。

全日本おかあさんコーラス全国大会でのステージ演奏、
ほとほと感動し、楽しませていただきました。
退院を早めていただいた甲斐がありました。
正直、生きていて聞けて見れてよかった、と涙がでました。
歓びと感動をくださりありがとうございました。

大会2日目の35団体の全ステージを聞き見させていただきました。
フラワーコーラスさんのプログラム解説に『私たちの合唱団は歌う曲によって、
詩をより生かすためにパフォーマンスをしています。』と載せておられます。
このことこそ合唱芸術が目指すべきこと、と私も強く思っております。

35団体の中で、私は次の4団体の演奏に心を奪われました。

○ 心に響く合唱

・女声合唱団ラ・ヴィアン・クールの指揮者石河清さんの
清楚でゆるぎない魂の祈りの音楽創り。
・コーラス藍の指揮者藍原恵子さんの
丁寧で光輝な心優しい心豊かな音楽創り。
・富岡先生の日本における所謂合唱指揮者の音楽とは違う、
世界中で活躍されている(オペラやオケの)指揮者と同じレベルの深い音楽創り。

この3団体は素晴らしい指揮者の音楽づくりに見事に応え、
心豊かな見事なコーラスを披露してくださいました。

○ 心をとらえたコーラスと一体になったパフォーマンス

・松山合唱団による『越中おわら』

越中おわら節を見事に歌いながらの群舞は圧巻で、
越中おわら節の持つリズムと哀愁が見事に群舞の身のこなしにあらわれ、
小さい頃東京宝塚劇場で見た 白井鐵造演出明石照子組長の雪組による
日本民謡と郷土舞踊の感動的なステージを思い出してしまいました。
また石河三郎氏による編曲で、この越中おわら節は
韓国の古民謡と同じリズムと節回しで、
韓国の全羅南道から沖縄台湾に広まった「ゆらぎ」の歌と踊りは、
韓国から福井・石川・富山県にもわたり
「佐渡おけさ」に代表されるおけさ節にもなり、
その流れに越中あわら節も含まれているのではないかと強く感じさせられ、
血が騒ぎ熱くさせられた、私にとって「面白い」ステージでした。

・フラワーコーラスによる『くるみ割り人形の主題によるジングルベル』

ひな壇に並んだ人形一体づつにすでに命がひそめられていて、
どの人形の動きにも目が離せなくて、
母親が子供に読んで聞かせた絵本の心優しい楽しい歌と
パフォーマンスで悲鳴を上げました。
そして魔法がとけて潜めていた命が生き生きと歓びに息づき、
舞台の前に広がってくる、パフォーマンスと『ハレルヤ』コーラスは、
ひそめていた“夢”は、夢をかなえようとひと時も忘れずに、
もがく時もあっても頑張っていたら、“夢”は実現する!
という希望と勇気と歓びを示してくださいました。
この一連の音楽とパフォーマンス、それは群舞ではなく、
わたくしはベジャールの舞台ではっと気づかされた、
百人百様、ひとりひとりの命の尊さを表現した「生きる」ことの芸術だと思った、
そのところに大きな一番の感動を得ました。

広いステージと大きな客席空間をもつ
新フェスティバルホールでの見事なコーラスと踊り。
ステージ入場から退場までの全ての瞬間が私の心をとらえ、
驚きと歓びと感動の渦で、芸術の極みでした。

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の音楽を
こんなにも愛らしく歌ってくださり、
また「ジングルベル」の曲を
こんなにも私の心をわくわくさせて子供の頃にタイムスリップさせてくださり、
「ハレルヤ」の曲では母が絵本を読んでくれて
最後に魔法がとけて『万歳!』と跳び跳ねた頃の自分になっていました。

歌の歌詞とはまったくかけ離れた、歌いながら煌びやかな衣装替えを
見せつけるような歌心のない本末転倒のコーラスが多い中、
これぞまさしく新フェスティバルホールに相応しい、
作詞・作曲家の想いを奥深く汲んだ合唱芸術!!

ここはマリンスキー劇場か、と一瞬疑い、
そして旧フェスティバルホールで感動をうけた
ムラヴィンスキー/レニングラードフィルのチャイコフスキーの演奏、
バーンスタイン/イスラエルフィルのマーラーの演奏、
カルロス・クライバー/バイエルン国立歌劇場o.のアンコールこうもりの演奏、
モーリス・ベジャールの数々のバレエのステージの時のあの感動と興奮が
よみがえった、素晴らしい、そして幸せな『ステージ芸術』でした。

滋賀男声合唱団も、早くもっと深いところで音楽を理解し
自分たちのものにして、きちんとしたメッセージを感じ取っていただける合唱が
できるようになりたいものです。

フラワーコーラスさんの創立48年目という歴史は、
単に年を重ねてきたということではなく、
いつもその音楽の真なるところに 富岡先生と共に一生懸命立ち向かわれて、
それを達成、積み重ねられてきた、しっかりとした年輪があっての『合唱芸術』。
本当に『素晴らしい!』の一言に尽きます。

フラワーコーラスさんの益々のご活躍をお祈りします。

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楽屋の廊下には歴代の大阪国際フェスティバルを代表する
アーティストの写真が掲げられていました。
上述のK.Aiさんのお言葉にあったように、
私を合唱だけでなく大きな音楽の世界に導いてくださった
師匠の写真をカメラに収めて来ました。
フェスティバルホールの同じステージに立てた喜びを心に覚えました。

わが師 若杉弘先生 
70年代の京響・80年代のケルン響と長く教えをいただきました。

小林研一郎氏
数年間毎夏の様に女満別でのオホーツク音楽祭で師事。

ウリ・セガル氏
オペラ公演で副指揮をさせていただきました。

ついでに・・パーヴォ・ヤルヴィ氏
デビュー直後から私が一番注目している指揮者
指揮ってこうあるべきと示しているお方です。