合唱は楽しい  ナレーション原稿

【クリスマス物語 宮本ゆき牧師】

神は、天地創造の初めに「光あれ」と宣言されました。混沌の深い暗闇に光がありました。すべての命を照らす光です。

光は、今から2000年前、ユダヤの小さな町の近くで、夜通し羊の群れを守っていた羊飼いたちに顕れ、「あなたがたのために救い主がお生まれになった」、「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう」と告げました。そのとき、天空にさやかな歌声が響きわたりました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心にかなう人にあれ」。

やがてこのできごとは多くの人々に宣べ伝えられ、人々はクリスマスがめぐってくるたびに、あの光を見たい、あの美しい調べを聞きたいと願い、賛美の歌を歌うようになりました。

(前奏と重なる)クリスマスは私たちの遠い昔と、今と、これからをひとつに結んでくれる絆です。

クリスマスの御子は、貧しく若い両親に見守られ、飼い葉桶に眠っていました。御子を訪ねてやってきた羊飼いたちは、汚れた仕事をする人、蔑まれるべき人だとされていました。幼子と、幼子を囲む貧しい人、弱い人、無力な人、そこに全ての人に贈られたクリスマスの光が輝きます。

クリスマスの御子は、生涯を、ひたすら神と人に仕え、そして人々に背かれ、嘲られ、私たちの悲しみと痛みを負って十字架につかれ、私たちの罪を購われました。

私たちの世界から、私たちの心から、闇が消えたことはありません。それでも聖書はこのように語りかけています。「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」。

ひときわきらめく星に導かれ、遠い東の国から3人の占星術の学者がやって来ました。危険な旅と知ってなお、どうしてもクリスマスの御子に会いたい、と命がけの旅でした。御子を探し当てると、喜びに溢れ、礼拝し、贈り物をささげ、帰っていきました。

キリストは「わたしを信じる者が、だれも暗闇の中にとどまることのないように、わたしは光として世に来た」と約束されています。キリストの光は消えることなく輝き続け、私たちが「世の光」となるよう励まし続けています。

(前奏と重なる)「初めに言があった。言は神と共にあった……言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている……わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた」。

 

 

【幕間ナレーション】

本日はお寒い中お足をお運びくださいましてありがとうございます。

ここ旧京都会館は私にとっても青春の思い出がいっぱい詰まったホールでした。老朽化ということで建て替えが決定したときは、心が痛みました。国鉄の京都駅の建て替えが発表されたときのことを思い出しました。でもご覧のようにこのような素晴らしいホールが京都に与えられたことを心から喜んでいます。

2年半まえにロームシアター京都が16年の開館にあたり、その記念事業として小澤征爾先生のフィガロの結婚に続く「広く市民にアピールできるオープニング事業」が公募されました。私どもは、あまり期待もせず、ダメもとで「富岡健と創る新しい合唱表現」という企画書を恐る恐る提出いたしました。それが思いもかけず「ロームシアター京都オープニング記念事業」として取り上げられ今日の日をむかえることと相成りました。

どうぞ年の瀬のあわただしい日々ではございますが、私達の「合唱表現」をお楽しみいただければ幸いです。

プログラムを進める前に、皆様に喜びをもってご紹介させていただきたいお客さまがいらっしゃってくださっています。ニュースキャスターという名称がはじめて用いられ、関西の合唱界のみならず、クラシック音楽界をリードされている、音楽評論家、大阪音楽大学客員教授でいらっしゃる「日下部吉彦先生」です。先生ありがとうございました。

舞台の用意も出来たようです。ふじの花の「さわやかでしっとりとした演奏」とフラワーコーラスの「どこも真似ができない演奏」を続けて楽しみください。

大阪コンソートとカナリーによるクリスマスを祝ったステージでは、宮本牧師が天地創造の第一日目の「光」を語ってくださいました。そしてふじの花もまたみ仏の慈悲に満ちた「光」を歌ってくれました。そしてフラワーは恵みの中で「躍動する命」を表現してくれました。皆様、いかがだったでしょうか。

皆様にご報告がございます。私は谷本智子さんの「小さな幸せ」という曲と出会い、それを女声合唱・混声合唱・男声合唱と編曲し出版する機会を得ました。この曲との出会いは「音楽は人と人をむすびつけ、絆を深くする」ということを強く私に教えてくれました。そこでその思いをもっと積極的に社会にアピールしたいとの考えから「音楽の恵みネットワーク」を立ち上げ、この11月に幸いにも大阪市よりNPO法人として認可を得ることが出来ました。いくつかの事業を計画していますが、中でも「日本人による日本語のオペラをここ関西から世界に発信したい」と強く願っています。ついては皆様のご声援ご支援を賜りたく、本日ロビーに活動案内書をご用意いたしました。どうぞお持ち帰りください。富岡健応援団として、この活動にご参画いただければ幸いです。

ステージには滋賀男声がそろいました。本日は、豊かな感受性と想像力に富んだ青春を謳いあげようと南先生が作曲された「月下の一群」から3曲を、人生を重ねてきた者から若者へのメッセージとして歌いあげます。