突然ステンドグラスから陽光が・・・モーツアルト・レクイエム

DSCF5226-1-1blogスタッフ集合の8時前、誰もいない聖堂に一人入り、天井からつるされた十字架のイエス像を見上げた。その痛々しい姿にこみ上げる涙をどうすることもできなかった。僕のそばにちかづいたシスターは僕の様子を見て、声もかけずにとおりすぎてくださった。「今日一日私を御用のために用いてください」心のなかで祈る言葉はこれしか出てこなかった。

「教会音楽は教会で」という信念。信仰の浅い私ごときが、実績もない合唱団を引き連れて公言するにはあまりにも無力、非力。でも前回のフォーレの時の池永大司教、そして今回のモーツアルトの前田大司教が共に司教座聖堂である聖マリア大聖堂での開催をお許しくださった。

開催のお許しを得たのが1月中旬。わずか3か月の準備期間に、素晴らしいソリストやオーケストラ奏者が集められ、コンソートのみんなは綿密な準備に奔走してくださった。

モーツアルトのレクイエムを何度も演奏したことのあるソリストもオーケストラも聖堂での演奏は初めて。戸惑いつつも、「大切な祈りの場」での演奏に襟を正してくださった。

合唱団の練習場にこの聖堂の聖歌隊の方がお越しくださり「私どもの聖霊溢れる聖堂で、皆さんの祈りの音楽が鳴り響くことが嬉しくてなりません。」との感動のお言葉にどれだけ励まされたことか。

祈りを導いてくださった聖職者やエキュメニカルチームのリーダーからいただいた「今の日本が失いかけている希望と喜びを感じることができました。」とのお言葉も心に染み入ります。

12ページ立てプログラムのほとんど全ての文字原稿とデザインを一人でこなし、ステージ上の合唱団一人一人の並び位置を決める作業を見た知人から「そんなことまでするのか!」と驚愕されたのものです。これもそれも素人集団のコンソートが大切な祈りの場をお借りするからには、礼節をもって答えるべきとの思いからでした。

客席にいた方からレクイエムのSanctus【感謝の祈り】の時に西のステンドガラスから急に陽光が合唱団とオーケストラの上に降り注いだ、とお聞きし、その業に恐れとおののきを心に簿えます。本当に導かれた3か月でした。

お支えくださってありがとうございました。